ある方から依頼されました。
「ぬけぬけ病を一般的な人々に伝える為に、分かりやすい言葉で説明お願いします」
ぬけぬけ病の専門書「再走~あの時の走りをもう一度~」を書いていて思ったのですが、
専門用語を一般用語に変換するのってかなり難しいんです。
でもそれをやらなければ、多くの人に伝わらない。
よければ選手の皆さんアドバイスください。
↑この本を読んだ方から、理解が深まったという言葉もいただいたので、少しは一般的な用語で説明できていると思います!(タップすると詳細説明ページへジャンプします)
ぬけぬけ病は病気なの?怪我なの?
よく聞かれるのですが、ぬけぬけ病という名前で「病」がついているので、病気と思っている方も多いです。
このぬけぬけ病は、通称なのであって、おそらく「周期性ジストニア」の一種なのだと思います。
海外では、ランナーズジストニアと呼ばれていることもあり、「ジストニア」の一種なのは間違いないと思います。
医学的に「ジストニア」は、疾患名ではなく運動異常症の一症候名とされているので、病気かというと・・・難しいところです。
例えば、
咳をしている人を見て、「あの人は風邪をひいてるね」というのと同じような感じかな?
「風邪」の中に、咳や鼻水、熱・・・など様々な症状がありますよね?
「ジストニア」の中に、ピアニストの指が固まってしまったり、ランナーの足首が固まってしまったりという症状があるということ。
風邪という名称も診断名ではなくて、通称ですよね?
だから、病気でも怪我でもなく、風邪にはいろんな症状がありますというだけ。
ぬけぬけ病は、足に勝手に力が入りすぎてそれ以上力が入らなくなる症状ということです。
風邪の症状に、勝手に腹圧を高めて気管から細菌やウイルスを出す=咳があるように、、
ジストニアの症状に、勝手に足に力を入れすぎて力が余計入らなくなる=ぬけぬけ病がある。
そのような関係性です。
これだけでも難しいですよね。
咳が一般的になっているように、ぬけぬけ病も一般的になってほしい。
ぬけぬけ病の原因ってなんですか?
これもよく聞かれます。
風邪の原因ってなんですか?
と聞かれて菌やウイルスが何かしらの悪さをしているんですと答えられたことはあると思います。
これはこれで、おおざっぱな回答なのですが、一般の人にも分かりやすくて、
これは、ウイルスが悪いのね!
と思える。
でも、ぬけぬけ病の原因ってなんですか?
と聞かれて、頭の中のイメージと身体の使い方が一致していないんです。と言われても、パッとしないですよね。
おおざっぱな回答を探してみると・・・
「思った通りに身体を動かせていない状態なんです。」
と言っても、ほとんどの人が、思った通りに身体を動かしているつもりでいるから伝わらない。
「勝手に力が入ってしまうんです。」
と言っても、なんで勝手に力が入るんですか?となる。
風邪の時は、なんで細かく聞かないんだろう・・・
なんでウイルスが悪さしているんですか?と聞いている人をあまり見ない。笑
難しい・・・。
勝手に力が入るのは、片脚立ちの時にバランスがとれていないからですよ!とだけ伝えると、バランスを整えればいいんだ!となります。
でも、そのバランスを整える方法は無数にあるので、その中からやみくもにしても効果がないどころか悪化してしまう事さえある。
片脚立ちのバランスのとり方に問題があるからですよ!と伝えるとどうだろう?
おっ?
これなら少しましかも!
バランスのとり方は、力を入れてとる方法と、力を抜いてとる方法があります。
ぬけぬけ病の人は、力を過剰に入れてバランスをとってしまうことが問題です!!!
なかなか説明するのって難しいですね・・・。
理学療法士的には、もっと踏み込んだ内容・・・例えば、
本来バランスをとるべき部位が機能しておらず、その機能を補うために、他の部位に力が過剰に入り、バランスをとってしまっている。と言いたい。
難しい・・・誰か救いの手を・・・。
ぬけぬけ病の施術は何をしているの?
これを説明するのが一番難しい。
インナーマッスルを機能させて、過剰なアウターマッスルを抑制して、筋力低下している部位を単独で鍛えていく。
その中で、身体の感じ方を変えていく。
多くの選手が、たくさん筋トレをしています。
でも、改善できていません。
これから分かることは、筋トレをただやみくもにすればいいわけではないということです。
筋トレは絶対に必要です。
でも、きちんと正しい筋トレが必要なんです。
そして、パフォーマンスアップの為の筋トレではなくて、リハビリの筋トレが必要です。
ここを知らない人がいるので、補足しておきます。
その筋トレはどっち?
パフォーマンスアップの筋トレとリハビリの筋トレは全くの別物です。
顕著な筋力低下がない場合がパフォーマンスアップ目的で、顕著な筋力低下がある場合がリハビリ目的です。
一般的にyoutubeなどで見る筋トレの多くは、パフォーマンスアップの筋トレです。
顕著な筋力低下が見られ無い場合の筋トレです。
ぬけぬけ病の場合は、なんらかのことをきっかけに、どんどん筋力が落ちてしまった状態なんです。
筋力低下は皆さんが思っている以上の速さで起こっていくんです。
とある研究では、2週間全く筋肉を活動させないでいると、筋力が28%も低下するとの結果も出ています。
さらにここからが問題なんです。
筋力低下した状態から元の状態まで戻るまでの時間がどれくらいかというと・・・
週に3~4回のトレーニングで6週間経過しても元には戻らなかったとのこと。。。
筋力低下の期間の3倍以上の時間がかかる可能性があるということです。
でも安心してください。
負荷量の設定や回数がとても大事なのです。それをしっかりと設定しないと、筋力はいつまでたっても強くなりません。
ぬけぬけ病の場合で考えると・・・
多くの選手が症状が出る前に何かしら怪我をしてます。
2週間~1か月練習を休んだ方もいます。
中には、インフルエンザで1週間寝込んでたという人もいます。
その間に筋力低下はどんどん起こっているんです。
痛みを我慢しながら走っていたから、筋力低下はしていないはずだと思う選手も多いですが、
痛みを出さない(痛みをかばう)走り方で走ってしまっていたら、痛みによって使わなくなった部位の筋力低下は起こり得ます。
ですので、10年も症状を我慢してきた方は、筋力がほぼゼロの方もいました。
それでも、きちんと適切な筋トレを適切な回数実施することで、筋力がついてきて、今では7キロ走れるようになってきています。
10年間いろんなところでいろんな筋トレをしてきたけど、結果が出なかった方もいますが、少しずつ改善してきています。
誰もができる筋トレですが、
理学療法士がリハビリで行う筋トレはきちんとした専門知識をもとに実施されているものになります。
骨、関節、筋肉はもちろん、神経や脳、運動学習など様々な知識をもとに筋トレの方法を組み立てています。
それを無視して自分なりの筋トレをすることで、悪化させる可能性があるということをしっかりと覚えておいてください。
ぬけぬけ病で悩んでいる方へ
自分一人で悩んでいる方がほとんどですが、一人では解決しないということを、数々の有名選手が引退を決意してきたところを見ると分かると思います。
周りにたくさんのサポートチームがいても、解決してこなかったのがこのぬけぬけ病です。
とくにアスリートとして活躍できる時間はとても少ないです。
その貴重な時間を無駄にしてほしくないです。
筋トレを正しくできれば、3か月である程度のところまで行ける人が多いです。
まずはその3か月を死ぬ気で正しい筋トレをしてみましょう!
正しい身体の使い方を施術で身につけて、筋トレをしていく。これが一番早いです。
施術を受けてみたい方は、ご相談ください。
改善したい気持ちがあれば、お金は後払いででも、分割でもどうにでもできます。
限られた時間しかないので、少しでも早く改善出来るように頑張りましょう!